雷がひどいときに飛行機が飛べない理由は?

空港全体的に

昨今私たちを悩ませるゲリラ豪雨。そしてそれには雷が伴うことも多いもの。そして、夏休みに旅行に行く方で、雷によって飛行機が遅れている、という経験をしたことがある方もいるかもしれません。

実は、雷で飛行機が飛ばなくなる、着陸できなくなるのは、本当によくあることなのです。

飛行機って雷に弱いの?

いいえ、飛行機は雷に弱いわけではありません。少しならば雷に撃たれても大丈夫です。

これは車と同じですね。

例えば、外で遊んでいるとき、雷が鳴ったらとりあえず車に避難することがよくあります。逆に木の下に避難が一番やってはいけないこと。最近は啓蒙されてきたせいか、ニュースも少なくなってきましたが、木の下に避難して雷に撃たれてしまうニュースを聞いたことがありました。

なぜ飛行機は雷に耐えられるのか?

ファラデーケージ効果

飛行機の機体(特に外板)は金属で覆われており、雷が落ちても電流は機体の外側を流れて地上や空中に抜けます。これにより、機内の人や機器は守られるのです。

設計段階で雷対策がされている

航空機メーカーは、雷撃に耐えるように電気システムや構造を強化しています。燃料タンクの周囲も特別に保護されており、発火や爆発を防ぐ設計です。

計器や通信への影響も最小限に

現代の航空機には雷による電磁波障害(EMI)を防ぐシールドやバックアップシステムが複数備わっており、一時的な誤作動があっても、安全な飛行が可能です。

とはいえ、

雷によって外板に小さな焦げ跡や損傷が出ることがあります。そのため、整備士による入念な点検は必要です。

なので、雷に撃たれないに越したことはないですね。

では、なぜ雷だと離発着できないのか

厳密にいうと、離発着はできます。

離陸はできても、出発前に荷物の搬入ができない、搭乗できないとなり、着陸できても、降りられない、荷物が出せないということになります。

つまり、安全の理由で地上での作業ができないことから、離発着が停止されます。

飛行前の地上作業ってかなりギリギリまでやってるんですよ。そしてドアが閉まったらすぐ動いて、そしたらそこにまた着陸した飛行機が入ってくる。特に羽田はそんなギリギリのスポット確保が起きていたります。

夏になると雷で閉鎖となることも多く、着陸するスペースがある場合は着陸して、地上で雷が収まるのを待つこともあります。この場合、着陸しても降りられません。空港に向かっていた飛行機は雷のない、近くの空でずっとぐるぐる回っていたりします。何機も何機もぐるぐるしていることがあります。

ずっと着陸できない飛行機はどうなるのか

雷が長引いたとき、しばらく近くの空でぐるぐるしますが、最悪なケースは出発空港に戻ります。これをエアターンバックと言います。

また、燃料残量がついに危ない、というとき、近隣の空港に緊急着陸することもあります。これをダイバートと言います。しかし、近隣の空港に着陸しても、燃料を補給してまた到着予定地に向けて出発するため、かなりの時間がかかります。たとえそこで降りたい方がいても、目的地変更はできません。

国内の幹線などは、1時間おきに飛んでいるため、前の便が出発空港に戻ってきてしまっても、1時間後の便は無事到着した、ということも多いです。こういう時、なんだか前の便が可哀想になります。

もし、出発空港に戻っってしまったら、何時間も後かもしれませんが、次の便を用意してもらうか、諦めて払い戻しを受けてください。

雷の場合はどうしようもないので、航空会社の指示に従ってください

これから夏になり、雷の季節になってきました。

大抵の雷は割とすぐに通り過ぎてくれますが、なかにはしぶとい雷もいます。

機内で待つこと、空港で待つことも多くなると思います。

また、雷で時間がずれた分、他の空港で折り返し便のはずの飛行機が来ない、とその時間もずれます。

空港によっては離発着できない時間もあるため(カーフューと言います、成田、伊丹、福岡が有名)、もしかすると折り返し便に乗るはずだった人は宿泊になってしまうかもしれません。

その場合、慌てず、航空会社の指示に従ってください。

今年はしぶとい雷が来ませんように。

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