総二階建ての航空機エアバス380。めちゃくちゃ大きなこの飛行機、実は羽田空港には就航していないのです。その理由を考えると、おそらく今後も就航しないと思われます。
エアバス380とはどんな飛行機?
世界の航空機シェアのほとんどを占めるのはアメリカのボーイング社とフランスのエアバス社となります。「A380(エー・スリー・エイティ)」はそのエアバス社の超大型、総二階建の航空機となります。「A380」と表記されます。また、ボーイングしゃの航空機は「B787」などと表記されます。AとBなので何かのパターンなのかと思われがちですが、たまたまエアバスのA、ボーイングのBなんですね。
- 初飛行:2005年
- 就航開始:2007年(シンガポール航空が初導入)
- 製造終了:2021年で生産終了(でも今も世界中で活躍中!)
項目 | 内容 |
---|---|
サイズ | 全長約73メートル、全幅約80メートル(ジャンボより大きい) |
客室 | 総2階建て(ボーイング747は一部2階) |
最大乗客数 | 最大約850人!(航空会社によって400〜600人台も多い) |
エンジン | 4発(4基の大型エンジン) |
航続距離 | 約15,000km(東京→ニューヨークも余裕) |
かつて日本国内幹線、国際線主要路線はほとんどがボーイング社の「B747」で占められていました。
B747は総二階建ではなく、前方部分のみ二階建でした。
しかしB747は燃費が悪いため、続々と世界の空から姿を消しています。JALもANAもだいぶ前に手放しています。
羽田空港でA380が離発着できない主な理由
1. 滑走路の重量制限
羽田空港の海にポッカリ浮かんでいるD滑走路は、構造上の制約から最大400トンまでの総重量制限があります。A380の最大離陸重量は約575トンであるため、満載状態での離陸は不可能です。空荷であれば可能ですが、通常の旅客運航には適していません。
2. 誘導路やスポットの制限
A380は非常に大型であるため、羽田空港内の多くの誘導路や駐機スポットが対応していません。特に、A380対応のスポットは限られており、運用上の柔軟性が低いです。
羽田空港第3ターミナルでは、140番〜143番のゲートスポットのみA380対応となっています。メインビルではなく、横の、滑走路に近いゲートスポットです。
3. 後方乱気流による運用効率の低下
A380は大型機特有の強い後方乱気流を発生させるため、後続機との間隔を通常より広く取る必要があります。これにより、滑走路の処理能力が低下し、空港全体の運用効率に影響を及ぼします。
羽田空港は特に夕方は4本の滑走路を全部使っても1分に1本くらいの間隔でじゃんじゃん離発着します。そのため、離発着の間を開けると大変です。
4. 運航時間帯の制限
羽田空港では、A380の運航が特定の時間帯に制限されています。具体的には、A380の運航は深夜帯(23時から翌朝6時)に限定されており、日中の運航は制限されています。
羽田空港でA380が見られないとなると、どこなら見られる?航空会社は?
以上の理由から羽田空港ではA380が飛んでいないということがわかりました。
では国内ではどの空港で見ることが、乗ることができるでしょう。

成田空港
現在、成田空港にA380で乗り入れている航空会社は以下の通りです。
- ANA(成田-ホノルル)
- エミレーツ航空(成田-ドバイ)
- シンガポール航空(成田-シンガポール)※期間限定
- アシアナ航空(成田-ソウル仁川)※不定期
関西空港
現在、関西空港にA380で乗り入れている航空会社は以下の通りです。
- エミレーツ航空(関西-ドバイ)
コロナ禍でA380を巡る流れが変わり、一階建が主流に
A380は2021年に生産を終了しており、かつて保有していたタイ航空なども手放しています。
羽田空港に就航がない今、なかなか見られる機会はないかもしれませんが、旅行先や成田空港では見られるので、興味のある方はお出かけしてみてください。
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