飛行機に乗る時、優先搭乗をするごくごく普通のおじさんを見かけたことはありませんか?
優先搭乗は車椅子の方、赤ちゃん連れの方などを先に飛行機にご案内することです。
しかし、ピンピンしたおじさんたちが先に搭乗開始しているではないか!誰なんだ、と思いますよね。
そういう方々は航空会社の上級会員です。上級会員組織はJALではJGC(Jal Global Club) 、ANAではSFC(Super Flyers Club)と言います。
上級会員はどうやってなるの?
昨年まではJALもANAも年間50回(往復25回)、もしくは年間50,000ポイント乗ればJGC、SFCの入会資格を得ることができました。(ポイント計算は少し複雑でマイレージ積算マイルをベースにして国際線より国内線が2倍、などあります)
今年からは、ANAは継続ですが、JALはカードの利用なども加味したJAL全体への貢献度になっており、仮に国内線だけだと300回搭乗しないと入会資格を得ることができなくなりました。
JGC、SFCは一度なったらJALカード、ANAカードの年会費を払い保持し続けている限りその上級会員のステータスを保持できます。
そのため『修行』という言葉が生まれました。これは1年だけ頑張って飛行機に乗れば一生上級会員でいられることから1年だけ集中的に自腹を切って飛行機に乗ることです。
『修行僧』の旅程はまさに飛行機だけ乗っています。大阪に着いたら折り返しの飛行機で帰る、などです。同じ客室乗務員に当たり、少し恥ずかしいこともあるようです。
しかし、客室乗務員は特に年末の搭乗実績締めに近づくにつれて『修行僧』が多くなることには慣れているとのことです。
上述の通り、修行をして上級会員になるのはANAのみが現実的になりました。
修行するにはお金が必要。すなわち、お金で手に入れる会員資格です。
上級会員はVIPなの?
上級会員はお金をたくさん使ってなるものなので、大切なお客様ではありますが、VIPではありません。
VIPとはお金でなれるものではありません。
社会的に誰もがVIPだ、と思うような人が航空会社でもVIPとされています。
VIPの方はビジネスクラス以上での移動が多く、自社の全世界の支店を忙しく飛び回ることが多いため、必然的にマイルも溜まってしまうため、航空会社の上級会員を兼ねていることもあります。
そのため、上級会員でVIPの方は少ないけれど、VIPで上級会員の方は多い、と言えます。
上級会員は何がいいの?どんな特典があるの?
- エコノミークラス等、ラウンジが使えないクラスでもラウンジの利用ができること
- エコノミークラス等でもビジネスクラスレベルの荷物タグがつき、早めに荷物が出ること
- 保安検査優先レーンが使えることがあること(列が短い)
- 専用チェックインカウンター(列が短い)
- 専用予約センター(待ち時間が短い)
- 優先搭乗(グループ2)
- 通販ショッピング割引
となります。
また、マイルの積算率も良いです。
そしてこれらの特典のいくつかは、JAL、ANAだけでなく、それぞれが所属するアライアンスの航空会社搭乗時にも適用されます。例えばJALならアメリカン航空、キャセイ航空、カンタス航空など。ANAならユナイテッド航空、シンガポール航空、タイ航空などです。
また、上級会員がたくさん搭乗することにより、翌年にさらに特別な1年間限定の上級会員になることができ、その時はファーストクラス用のラウンジ、ファーストクラス用のチェックインカウンター、優先搭乗もグループ1を利用することができます。
上級会員は一度なってしまえば年会費を払えば一生です。なので引き続きJALやANAを使う方にはお得な制度です。
しかし、現在はLCCで安く飛行機乗ることができます。それもたくさん旅をしたい方には魅力です。LCCは上級会員などありません。荷物も預けることがなければ早く出る、などの特権は不要です。
これから上級会員獲得を目指す方は、利用スタイルを見極めて目指しましょう。
コメント